正看護師でも准看護師でも、基本的には仕事内容に大きな違いはない。しかし、准看護師の場合、その役割から正看護師と比べて働き方や権限に制限があることを覚えておくと良い。まず、自分の判断で患者のケアや診療の補助ができる正看護師に対し、准看護師は自らの判断で医療行為を行うことができない。医師や正看護師の指示のもとに業務を行うという准看護師のあり方にかかわるからだ。同じ仕事内容だとはいえ、正看護師と准看護師では背負うべき責任が違う。
とはいえ、仕事内容に基本的な違いはないので、准看護師も正看護師と同様、病院や施設などさまざまな医療現場で働くことができる。ただし、注意したいのが、実際の求人では正看護師を希望する職場が多いことだ。特に総合病院や大学病院の正職員の募集でこの傾向が見られるといって良い。一方、日勤のみのクリニックや常勤ではなくパート勤務の求人の場合、准看護師のニーズは高い。
もう一点、正看護師との違いで押さえておきたいのが、准看護師の給与や待遇だ。同じ勤務先で同じ仕事をしていても、正看護師と比べて准看護師の給与は低くなる。ある調査では、だいたい月に5~6万円ほど差があることも分かっている。ということは、年収では60~70万円の差になるのだ。この差は、准看護師は正看護師の指示のもと業務を行うという役割に起因している。また、准看護師は経験年数にかかわらず、看護師に業務の指示を出すことができないので、管理職やリーダー職に昇進する見込みがない。それも給与の違いに表れている。